タラオです!
オンライン英会話で出てくることの多いカランメソッド(Callan Method)。
果たして意味があるのか非常に気になったので調べてみました。
カランメソッド、というと某○○Englishの真髄とも言える分野ですが、残念ながら○○Englishの攻撃がしたいわけではなく
その証拠に、私が大絶賛するネイティブキャンプもカランメソッドの認定校で、
そのネイティブキャンプで授業を受けるうちに疑問に思った、というのが理由です。
まず、カランメソッドって何?
これがカランメソッドです。
ガチガチに決まったスクリプトが用意されており、ナチュラルなスピードで質問され
それについて間髪入れずに答える、というものです。
授業中に自分の意見や質問などもできず、おまけ程度に発音を直してくれることもありますが
こうじゃなくてこうだよ、というようなしっかりとした発音矯正は有りません。
特徴としては、スピード感と緊張感・圧迫感のある中で即答していくスタイルになります。
ただし、質問も応答も決まっているので、考える必要はなく、逆にそれ以外の答えは間違いになります。
またステージ、というレベル順ごとになっており、基本的にステージ1から順番にこなしていかなくてはなりません。
目次
カランメソッドは何を目的としているのか
考える上で重要な点として、カランメソッドの目的です。
某○○Englishのサイトではこの様に書いてあります。
授業内容を見ても明らかですが、カランメソッドも目的とするところはナチュラルスピードでの会話の【暗記】を目的としています。
多くの日本人がすでにそう思っていると思いますが、さんざん文法を学んで、正しい文法を知ったところで話せないわけです。
んー、これが関係代名詞で、ここは主語がHeだから三単現のSかな?
みたいな文法の間違い探しに特化したところで、間違い探し試験はできても話せるようにはなりません。
とにかく口を使って覚えてしまえ、というのがカランメソッドの目的です。
そしてこれは恐ろしいほど、そのとおりだと思います。
英語は暗記しないと話せない
言ってしまうと、スピーキングは暗記です。
文法や単語をいくら知っていても、話のスピードに付いてこれないからです。
それよりもまず、型を暗記してしまって、それを吐き出す→単語や主語を変えてみる→組み合わせてみる、などと少しずつオリジナリティを入れて行くものです。
文法や単語を覚えて最初からオリジナリティを出そうなんて無理です。
信じられませんか?
それではわかりやすい例を出しましょう。
「How are you?」と聞かれたらなんて答えますか?
恐らく99%の日本人は「I’m fine thank you, and you?」と答えませんか?
答えるまでの間に
「なんて答えようかな?」
「文法的にこれは正しいかな?」
「ハウアーユーはお元気ですか?だから、その答えはええぇっと…」
みたいな思考は一切なかったでしょう。
授業で「How are you?」の答えは「I’m fine thank you, and you?」なんだ!と叩き込まれたからできる技です。
この質問-回答のパターンをたくさん増やしちゃえばスピーキングできるじゃん!
という発想がカランメソッドで、恐らく、多くの長年やってきた英語学習者は同じ結論にたどり着くと思います
カランメソッドの目的は正しかった!
となるとカランメソッドの目的は正しい、ということになります。
ただし、目的が正しくても、そこに向かう手段や方法は適切と言えるのでしょうか?
もしそれが間違っている場合、非効率なものをダラダラとやらされている可能性があります。
カランメソッドの目的は質問-応答の丸暗記
であれば、これを徹底できるようにすれば良いのですが、ひとつカランメソッドには大きな矛盾があります。
それは、わざわざ先生との対面のレッスンとしている点です。
もちろんそれには利点もあります。
緊迫感です。生身の人間が目の前(オンラインなら画面上で)急かしてくるので、怠けたり逃げたりできないというところでしょうか。
はっきり言ってそれだけです。
最初の特徴でも述べた通り、発音矯正もしっかり行ってくれるわけでもなく、質問やフリートークなどもできません。
言ってしまえば「頭を使うレッスンではない」ということです。
それってじゃあ、先生もスクリプトを読み上げているだけですし、
生徒も先生が言うことを繰り返すだけなので
ハッキリ言って、録音の音源で良くないですか?
カランメソッドは1960年頃に考案された方法です。
授業でもiPadやパソコンを使う時代に、60年前の古臭いやり方で続けるのはいかにも効率が悪いです。
その時代にはスマホもYoutubeもありません。それがある今なら、目的がブレること無く最適な方法を選ぶべきです。
下の動画を見てください。
暗記の秘訣は繰り返しの練習なので、
例えばこの動画を暗記するくらいシャドーイングしたり
音無しで自分で読み上げたりすればそれで十分ではありませんか?
だって人がいてもいなくても発音矯正や質問や自分の考えを述べることができないんですから。
頭を使う必要がないなら人間相手にやる意味はありません。
いやそれでも、緊迫感が欲しいし…っていう人はいるでしょう。
それでもカランメソッドはおやめなさい。
その理由は次にあります。
カランメソッドは最高の集金システム
カランメソッドのデメリットして
方法論や効果を抜きにして必ず上げられる点として
その値段の高さにあります。
通常のオンライン英会話は、月30回のプランでも6500円ほど。
そのレッスン単価は200円前後になります。
ところが
・ネイティブキャンプでもカランは予約必須の課金制になっており1回100コイン(200円ほど)は追加でかかります。(月額6480円とは別)
・カランメソッドを採用しているのQQ Englishでも1レッスン400~500円ほどになります。
だいたいの相場は400~500円、高いところだともっとするかな、という値段設定なわけです。
普通のオンライン英会話レッスンが200円前後という相場を考えると、単純に倍以上のコストがかかります。
さらにカランメソッドは、説明した通り「ステージ」という順序に沿って行われます。
ドラクエなどゲームのレベルアップのようなもの。
やりたい内容や適した内容を選ぶのではなく、順を追って最初からやっていく。
なぜってそういう決まりだからです。そこに思考はありません。
一度服用したら継続して服用を続けていく治療薬のようなものです。
この時点で効率の悪さしか感じないのですが、真面目でちゃんとやりたがる日本人には、非常に相性がいいわけです。
ステージ1からコツコツ高いお金を払ってやっていき、今ステージ4だ、頑張ってきたぞ!
というところにやりがいを感じて、本来の目的である「会話のテンプレの暗記」というところから逸れています。
しかもレベルアップしていくためには継続して高いお金を払い続けなければならない。
でもナントカメソッドで、良いって書いてあるしきっと正しい。
これもブランド名に弱い日本人に上手く取り入っていますよね。
普通のビジネス英会話の教材とかだと、必要な内容や目的でページをピックアップできますが
カランの場合はそれが許されないので、「最初から」「継続利用」させることができます。
まさに「思考をしない」情弱向けの最高の集金・課金システムになっています。
そりゃ効率が悪くたってオンライン英会話に搭載しますよね。
悪いとはいいません。
私の大好きなネイティブキャンプ、あんな受け放題のコスパを実現するためには、誰かがみんなのために高いお金を払って維持する必要があるのですから。
結局カランメソッドはいらない
カランメソッドに効果がないとはいいません。
でも英語学習でのずるいところって、効率は述べずに「効果はある」ってことにしか触れないんですよね。
そして効果がなければ「あなたがちゃんと勉強していないから」と言える。
倍以上のコストを払っておいてそんな馬鹿な話はありません。
どんな効率の悪いことだって長時間続けていれば、一応は何か効果は出ます。
0.02%の銀行金利だって、複利効果で3600年後には元本を倍にすることができます。
あなたに3600年あるのであれば、という話ですが…。
勉強において効率ほど重要なものは有りません。
特に社会人、疲れて帰ってきて一体どれだけ勉強する時間がありますか?
高いお金を払って大した効果も出ないカランメソッドをやりますか?
目的が正しいなら、正しい方法でゴールを目指せ
さっき言ったように、生身の人間相手に高いお金を払ってカランをやるのは非効率なので例えばこんな方法が考えられます。
目的が会話の丸暗記なら、ナンタラメソッドだろうがなんだろうが、最適な効率・コスパで暗記すればいいだけです。
生身の人間相手にしない場合
これはさっき掲示したような動画でもいいですし音源でもいいです。
私が一押しなのはNHKのラジオ英会話などの教材。
NHKはお金持ってますので、その辺の会社じゃ相手にならない質の教材を作れます。
しかも格安で提供してくれる。
しっかり放送日にラジオを録音すれば、教材は1ヶ月400円ほどで済みます。
ラジオの録音がめんどくさくてもCDは1700円ほど。
けちってメルカリとかで古いものをまとめ買いしてもいいでしょう。
教材の質は劣化しません。
あとはひたすら聞いて、ひたすら喋って暗記です。
会話文はぜーんぶソックリに丸暗記しちゃいましょう。
半年後には絶対カランメソッド受講者よりしゃべれるようになりますよ。
かかった費用もはるかに安い。
一問一答ではない実践的な会話を暗記するのと、先生の後をついて一問一答の文章を覚えるだけ。
どっちが実際の英会話で役立つかは明白です。
高いお金を払って、ブランド名にすがって、勉強している気になるのはもうやめましょう。
生身の人間を相手にする場合
対面の授業だとどうしても値が張るので、オンライン英会話を想定しましょう。
どのオンライン英会話がいいかはこちらを参考にしてください。
倍のコストを掛けるなら、2倍授業数を受けてもいいでしょう。
それの時間効率が気になるなら、別に受けなくても構いませんが、オンライン英会話は最低でも少しは喋れるくらいが効率が良いです。
授業を受けたら、徹底的に出てきた会話や質問-回答を暗記してください。
復習が命です。同じ復習を毎日やります。
たまにはフリートークの授業などいれて吐き出してみてください。
カランのリスニングは頭を使いません。
頭を使って文章を理解しようとすると、答えている暇がないからです。
でも頭を使わないリスニングはスピードラーニングと一緒です。
音のシャワーを浴びて済むならそんな楽な話はないです。
ベトナム語やアラビア語など、知らない言語の音源を、ナチュラルスピードで毎日25分間聞かされて
半年後にベトナム語を理解できるようになりますか?アラビア語ならできますか?
もちろん多少は英語のリスニング力上がるかもしれませんが、単純に英語のスピードに慣れた、という程度ではないでしょうか?
そんなら、リスニング教材の1.5倍速再生でもやってなさい。人間にわざわざやってもらうことではないです。
リスニングは、頭を使わないと絶対に伸びない。
速くたくさん聞くだけでリスニングが伸びるという幻想は捨てましょう。
「頭を使って」たくさん聞くことが重要です。
・英会話(スピーキング)は会話の丸暗記が近道
・会話の丸暗記のために、人間相手の授業はいらない(覚えた後の「頭を使った」練習相手としては必須)
・リスニングもただ聞くだけは意味がない。頭を使ってたくさん聞け!