【その2:入院準備編】コロナ陽性が出てから入院するまでについて

未分類

というわけで発症から陽性になるまでが前回の記事。

今回はその後のお話について書いていこうと思います。
入院準備編です。

最新の対応では陽性者はどうなるの?
入院準備ってどんな感じ?

そういったことをお伝えする予定です。
入院生活まで書こうと思いましたが、それはそれでかなりのボリュームがあるので次回にします。

陽性の連絡をもらった後-どこで感染ったのか!?

ここまで、妻は発症の翌日、私は発症当日の夕方までにはPCR検査も終わらせてスピード決着(?)となったものの
陽性の連絡は午後の5時以降にもらったため、恐らく?保健所の勤務時間の関係?で、保健所からの連絡は翌日になるっぽかった。

自宅待機になると思っていたが…?

その頃、私は症状なし、妻は熱はあるものの平気な感じ。
てっきり14日間の自宅待機になるとそのころは思っていた。

ところが、それは大きな誤解だったのである。
基本的に自宅待機の要請は保健所が手配したPCR検査待ちの人だったり、濃厚接触者などに対して行われる。

陽性者に自宅待機はそもそもあり得なかったのである!

もちろんこれは東京都の私の区の話なので、病床数や受け入れホテル室数などによって地方では対応が異なるかもしれない。
ただ、よく考えてみれば陽性なのに、自宅待機の要請したところで勝手に出歩くかもしれない。
1人暮らしだと、飯だって食材だってどうすんだ?って話になる。外に出ないわけには行かない。
あとはもちろん、突然容態が悪化したら対応が遅れてしまう、という理由もあるだろう。

そういうわけで今、政府の方でも無症状や軽症者の入院はやめないか?(ホテルand自宅待機でなんとかできないか?)
という変更をしようとしているわけだ。インフルエンザが大流行した場合、病床が足りなくなることを恐れているのだ。

ただこの段階で私達は自宅待機になると思い込んでいたのだった。

感染経路-どこで感染ったのか?

これについては、PCR検査した病院のお医者さんにも尋ねたり、お医者さんの話を聞くに
可能性がありそうなシーンは

全く心当たりがなかった。

いやいや何いってんだよ、と思うかもしれないが
基本、私はテレワークで外に出ない
妻は仕事はあるので外には出ているが、職場と通勤(電車)のみで寄り道もなし。

2人ともスーパーの買い物か、夜のおさんぽくらいだった。
飲みや飲食店にも全く行っていない…。

じゃああの「接触確認アプリ」の通知はなんだったんだよ!と思うかもしれないが
その日は2人ともほぼ外出していない。(アプリはいつの接触か日付のみわかる)

夜にスーパーで買い物をして、自宅の周辺数百メートル以内を2人で適当に散歩しただけなのだ。
どう考えても「15分以上、数メートル以内に一緒にいた」人なんかいなかったのである。

そして、この接触確認の日付自体も、私が発症してからなんと8~9日も前のものだった。
潜伏期間として、ありえなくはない、のだがちょっと長すぎる…。
どうも実際この接触確認の通知、は感染源としては信頼に置けない。
(それでもPCRがタダになるし、飲食店行ってるような人なら通知も役に立つ、だから入れなさい。そういう話をしています。)

2人ほぼ同時に発症しているからと言って、同時に感染ったとは言えないかもしれないが
ほとんどの場合、発症の2日前からが感染力が高くなるとのことで、やはり一緒に感染ったのでは?と思うのだ。

自分の行動をどうやって確認するか

ちなみにどうして1週間以上前の自分の行動の記憶に、そんなに自信が持てるんだ?

と思った人もいるかも知れません。鋭い!普通そんなに覚えてませんよね。
それにはちゃんと理由があるのだ。

まずひとつはレシート。
うちは家計簿アプリをつけているので、レシートを必ずもらっている。
レシートや家計簿アプリをチェックすれば、少なくともどのお店に行ったのかはわかる。

もうひとつがGoogleマップ

Googleマップのアプリには「タイムライン」という機能があり、GPSがオンのままなら
自分の位置情報をマップ上に記録してくれるのだ。すごいよね!こいつがあるので私の行動記録は覚えていなくてもバッチリなのだ。
ちなみに勝手には作動していない。自分でこの機能をオンにしないと記録は取られない。

そんな機能、プライバシーが云々で怖いワァ!!!と思ったあなた。
私もそう思うが、たぶん、私の行動記録なんぞもれたところでクソも役に立たない。私は要人でも芸能人でも無いのだ。
ただのテレワーク中のサラリーマン位置情報に何の価値があるだろうか。
ま、メリット・デメリットあわせて検討してみるといいだろう。

翌朝、慌ただしい入院準備

翌朝、9時ちょっと過ぎ、保健所から妻と私にそれぞれ連絡があった。
聞き取り調査や体調の確認である。

保健所の聞き取りと濃厚接触の基準

事前に10日前くらいからの行動を記録していたのでスムーズに伝えられたが、
基本的には、発症から2日前からが感染力があるので、それ以前はあまり気にしなくていい、みたいな感じであった。

唯一、気になったのは非常に珍しく、発症の前日に2人でランチをしに行ったのである。
もともとほぼ外食しないのでめちゃくちゃ珍しいのだが、このタイミングで、という感じだった。

発症までが早すぎるので、ここで感染った可能性はないとのこと。

逆にうつしてしまうことが心配だったのだが、感染対策を徹底しているお店で、
広めの店内で座席もあけており、混雑しないように人数制限もかなり厳しかった。
・一緒に食べていたのが私達夫婦のみだったこと(他にも友達とかと一緒だったらその人は濃厚接触になっただろう)
・他の客との間隔が十分だった(お互い腕を伸ばしても届くかどうか)

ということで、他のお客さんたちは濃厚接触ではなく、追跡対象とはならないようだった。
いささか心配だったが、まぁそう言うならと安心はした。
もともと私ら夫婦はぺちゃくちゃ喋ったりしないので、そんなに会話もしていなかったがマスクは外していたし、感染症対策してると言っても屋内だし…
と疑問は残ったのであった。

もし、周りのお客さんたちが接触確認アプリを入れていたなら、私の陽性者登録で通知が行って知ることができただろう。
でも入れてなかったら…?誰が教えてくれるんだろう。

入院準備!!

そして残酷な事実が伝えられる。
入院である!!

前述の通り全く準備していなかったどころか、そんなことはまったくないと思っていたので焦ってしまった。

2時間後に保健所が手配した私設の患者搬送車が来るとのことだった。
待ち合わせ場所などを指定する。2時間しかない!

ホテル隔離にならなかった理由は、恐らく妻が高熱を出していたことにある。
無症状ではなく軽症者扱いになったのだろう。

さて困った。入院なんて実はしたことがない。何を持っていけばいいかわからないのだ。
とりあえず仕事で使っているラップトップ、スマホ、その充電器。
保険証、下着の替え。宅建のテキストなど勉強グッズ。シャンプーやボディソープ、歯ブラシ、歯磨き粉。現金。財布。紙コップ。スリッパ。
入院中に確認しとこうと思って、入院保険証書も持った。

服やタオルはどうする?と妻に聞いたら「普通は病院でレンタルできる」とのこと。
レンタルなんてお金かかってやだなぁと思ったが、よっぽど切り詰めていないならレンタルが正解だった。
なにせ10日間、洗濯もできないのだ(手洗いは頑張ればできる)。そして汗もけっこうかくし、タオルは毎日替えたいレベルなのだ。入院生活は。

この当たりは後述するが、最低でもそれぞれ10セット必要で夫婦2人分なんて、海外旅行並みのキャリーケースが必要になる。

実はそこまでよく考えていなかったが、レンタルでいいやとタオルや服は置いていくことにした。

 

そして持ち物だけではない。
少なくとも10日は家をあけるのだ。

まずは食材の整理である。
使ってない野菜は全部冷凍庫にぶち込んで延命措置。
昨日作ったばかりのカレーも冷凍庫行き。あっという間に冷凍庫がいっぱいになる。

牛乳などの賞味期限をチェックし、大丈夫。ヨーグルトなどは食べてしまって、お茶なども全部捨てるか容器に入れて持っていく。
排水溝周りも(いない間に水が干上がって下水の臭いや虫が上がってこないことを祈りながら)掃除して、ゴミも全部まとめて捨てに行く。

エアコンはドライモードでつけっぱなしにして部屋がカビないようにする。
除湿機は物置に弱モードでかけて少しでも長持ちするようにする。
戸締まりも確認する。

そしてシャワーをしっかり浴びる。
入院となれば、そして感染者となれば入浴も自由には行くまい。
早めに昼飯も食う。病院到着は恐らく、病院の昼食後になるはずだ。

あっという間に2時間経過してしまった。

接触確認アプリに陽性者登録!

最初の連絡から少しして、保健所から電話がある。

「感染確認アプリに最初登録した電話番号(もしくはメールアドレス?)に、登録用の番号が発信されたので、すぐに登録してください。」

とのことだった。

そう、接触確認アプリには勝手に陽性者登録はできないのだ。
保健所からシステムに陽性者を登録し、厚生省から番号が発行され、それを陽性者がアプリに登録する、というワケ。

だから私が発症した日の早朝はまだ通知が来てなかったのだ。
私と同様、昼前に登録され番号が発行されるというわけ。つまり昼前は通知を確認すべきタイミングなのだな。

これが実際のメッセージ。
送られると同時に保健所からも電話がくるからご安心めされよ。

ついに出発

あっという間に準備を許された2時間は過ぎてしまった。

ただ、普通の人なら10日も入院なんて、と思うかもしれないが私達夫婦は筋金入りの引きこもりなのでそこまで心配していなかった。
もとも土日祝日、一切外出せずに家でダラダラできる人間なのだ。

パソコンがあれば仕事もできるし、大抵のことはできる。
スマホも同様だ。そんなに不自由はなかろう。

ただし患者用のWi-Fiは病院にはない。それだけは注意だ。
私は最初からスマホでのテザリングで過ごすつもりでいたので特に気にしていなかった。

民間の患者搬送車で病院へ

民間の患者搬送車が到着したので、家を出てそこへ向かった。
ETみたいな感じを想像していたので、仰々しさで近所の人にバレたら嫌だなと思い、家からほんのちょっと離れた場所に指定したのだが
搬送車にはドライバーのみ、ドライバーも青い薄手のゴム手袋にマスクのみ、という軽装だった。杞憂だった。

車内は恐らくエアコンをかけておらず、外気をそのまま取り入れて換気を良くしていた。
仕方ないとは思うがかなり暑かった。

私達はまだいいが、ドライバーも暑いわ陽性者は一緒に車内にいるわ、辛い仕事だな…
と申し訳なく思った。

直線距離や道路距離でもさして遠くない総合病院だと思うのだが、昼間の東京で道がそれなりに混んでいて到着までは結構時間がかかったと思う。

病院へ到着

病院へ到着するとすぐに看護師さんと男性のスタッフ2名(看護師さんではなさそう)が車のドアを開けた。

停車位置は、病院の敷地内の道路?みたいなところである。
車内にいながら、入院のための書類などの何枚か無心で記入していく。その間ドライバーの人も一緒だ。

記入している間、荷物なども別の看護師さん2人が先に病室に運んでいってくれた。
いやはや、これは手間がかかって仕方ないな、と思った。

我々は夫婦だけど、恐らく1人でも同じ様に人数をかけるだろう。
たかだか患者1人に、何人ものスタッフが割かれるのだ。コロナとは恐ろしいものだと思った。
あっという間に医療リソースが食われてしまう。

しかもコロナは入院期間が10日と長く、病床も長期間占領する。

何だったか、本当かどうかは知らないが旧日本軍の銃弾は、初速が早く貫通力に優れ、命中精度が高かったという。
貫通力が高いということは、余計に人体を傷つけずに弾が人体の外に出てしまうことを意味する。

つまり、人体の破壊を目的としたダムダム弾などと違って、致命傷を与えづらい。
死にづらい、ということらしい。

そんなの兵器として欠陥じゃないか?と思うかもしれないが逆なのである。

戦場で銃弾を浴びて死んでしまったとしよう、戦闘中であればまず戦友だろうと死体にかまっている暇はない。
自分が殺されるかもしれないのだ、死体の相手は後で余裕がある時である。死体は放置される。

でももし、銃弾を浴びても死なずに生きていたら?苦しんで転げ回っていたら?
味方が助けに来るだろう。うまく物陰にでも引っ張り込んでもらえたら、衛生兵が来て後送されるかもしれない。担架に乗せられ、トラックやジープで病院に行けるかもしれない。

ここがポイントなのだ。
戦死させてしまったら、敵の戦力は1人減っただけ。

でも撃たれて生きていたら?

助けるために、治療するために、担架で運ぶために、何人の兵隊が戦闘をやめなければならないだろうか?
一発の銃弾で2人も3人も4人も、もしかしたらそれ以上の戦力を失わせることができるのだ。

コロナは非常にこれに近いものがある。
潜伏期間も短く、殺傷力も高く、あっという間に人を殺してしまうウィルスならこんなに医療機関は苦しまなかったはずだ。

ところがコロナは潜伏期間も、感染力がある期間も長く、致死率もそこまでなく
ただただ長期間、病床を占領し、看護師の人数をかけさせ、医療リソースを削ることに特化している。
これがコロナの真の恐ろしさなのだ。

病院に到着して、その対応の現実を見て、初めてその驚異について認識したのである。

 

次回、入院生活編。

コロナでの長期入院でのリアルを伝えます。
困ったこと、持ってきたほうが良かったもの、最新の入院患者対応など。