パークソーシャルとは、IT Park内にある24時間営業のバーである。毎日日替わりでバンドが演奏をしにやってくる。週末は満席だが、他の店へは行かず立ち飲みをする人も多くいる。キャパはザッと150 ~ 200 、それ以上といったところだろうか。フィリピン人と外国人が約半々くらいの割合で混在している。つまり、安くて質が高いということだ。
フィリピン人は基本的に安いところに集まり、外国人は質が高いところに集まる。故に、パークソーシャルはどちらの層からも指示を得ている。

2Fでは無料でビリヤード、ビアポンができる。ビアポンとは
レッドホース、サンミゲルなどのフィリピン産ビールは75ペソ~ 、この他にもコーヒーやティーなども注文できる。ポテトは90ペソ。ちなみに、2人でちょうどいいくらいの量であるが、1人でも食べられない量ではない。

本題
唐仁田 郁夫(カラニダ イクオ)は昔、ジョンレノンに憧れてイギリスでバンドデビューする将来の夢を語っていた。それが英吉利ではなく、セブ島・フィリピンで叶えられたのだった。そして、曲はもちろんジョンレノンではなく、サムスミスの「I’m not the only one」だった。
その時は突然だった。
唐仁田 郁夫(カラニダ イクオ)はその日のバンドがこれも彼が好きなQueenのbohemian rhapsodyの完璧な演奏に感動し、そのボーカルとの写真撮影を求めたのだ。

そこで彼が、今度は「サムスミスを歌ってよ。」とリクエストしたのだ。
リクエスト後、彼はステージの目の前で彼らの演奏を見ていた。
するとこちらのボーカルがなんと
「今日は日本から友達が来てくれました。ステージの上で歌ってくれるそうです。」
と唐仁田 郁夫(カラニダ イクオ)を指差しながら言い退けたのだ。満杯の客が唐仁田 郁夫(カラニダ イクオ)に拍手を送った。
「これはもう逃げられないやつやん。。。」
この時点で相当酒の入っていた唐仁田 郁夫(カラニダ イクオ)でもその空気を感じ取ることはできた。
そして、彼はステージに上がった。

無茶ぶりがひどいこのバンドが来る日には二度とパークソーシャルへは行かないと誓ったのは冗談であるが、やはり酔った状態で発声練習もしてない時に歌わされるのはあまりにも醜態であった。
唐仁田 郁夫(カラニダ イクオ)は一応お笑い養成所で発声方法を学んでおり、その後ギターも真面目に練習したことからそこそこ人に聴かせられるくらいには歌えるのだが、この日はそうではなかっただろう。
本人もよく覚えていないのだ。

ただ、もう完全に歌っている。
やはり人前にたつことにはなんの躊躇いもないのだろうか。それとも酒の力だろうか。

見よ。この清々しい顔を。
彼は誓ったのだ。
また歌う。練習したのちに。必ず。
週末はパークソーシャルへ行こう!