セブ島留学事例で学ぶ<孫子の兵法>①計篇

孫子の兵法

少し別の人格になっている時間を経て、目が覚めるとひらめきました。今回のセブ島留学の事件を<孫子の兵法>に合わせて解説できないかと。新型コロナウィルスの感染者拡大による、セブ島留学の事業への打撃は、それはまるで戦争だったと聞いています。そして今も戦争の真っただ中に多くの学校及び関連事業の人たちがいるわけです。この戦争状態で、今後立ち直るだろう経営者たちに贈るエールとして、<孫子の兵法>は最も有効なツールだと思いつきました。

そもそも<孫子の兵法>とは

正式な書籍名は「孫子」といい、中国最古の兵書「孫子」十三編のことをあらわします。一番安価な書籍は岩波書店から出版されており、Kindleでも購入可能なので、ロックダウンのセブ島からでも電子書籍は購入可能です。※小銭を稼いでも仕方ないので、広告リンクははりません。Amazonから「孫子」「孫子の兵法」などで検索ください。

兵法の書籍になりますので、軍略本、軍師家のための書籍とも言えます。戦時中だと将軍や参謀、現在だと社長や企業参謀などが、企業経営戦略を考えるうえで非常に有効な書籍として古来より伝わっている書籍でもあります。

セブ島だけでなく、世界では、今回の新型コロナウィルスの感染による企業への影響は、第三次世界大戦を思わせると巷では広がっています。「孫子」は後に述べますが、戦争のための軍略本です。戦争に勝つにはどうしたらいいのか、このような状況で企業が生き残るにはどうしたらいいのか、そういうことを考えるうえでの基本書になりうると、マスオは考えています。

どうしても、企業戦略を語るうえでケース(事例)があるほうがより説得力を増します。ということで、今話題が集まっている「セブ島留学」をテーマにすることで、業界関係者、元生徒から、全く関係のない人まで学んでいただけるのではないかと思います。難しい漢書の翻訳を、マスオがなるべくわかりやすい内容で説明するだけでなく、ケーススタディー化することで、読者の理解がすすむことを目指します。うんちく、語っても仕方がないので、早速開始します。

①計篇

序論であり、戦争を決断する以前に考慮する事柄について述べています。

まずは。この計篇の中でも最も社長(会社のトップ、代表)が持つべき資質である、「将」について説明します。

孫子はこの書籍の中で、戦争の勝敗を分けるのは五つの基本事項である「道」「天」「地」「将」「法」(五計)を用い、特に将軍についてはその重要度をよく理解したうえで、重要さを知っているものは勝ち、本質を知らないものは敗れる。

この「将」とは、知力、誠実さ、思いやり、勇気、厳格さといった将軍の能力である。

マスオが某英語学校に集団訴訟を決断した大きな原因でもありますが、某英語学校の代表者の行動を見ていると、「将」の器とはとうてい思えません。特に、「誠実さ」と「思いやり」についてはどうでしょうか。確かに優秀な経営者ではありますが、Youtubeの配信や代表者ブログを見ていると、「誠実さ」のかけらもありませんし、「思いやり」についても自分勝手でセブ島にぜひ来てくださいと言ったかと思えば、突然の強制帰国。生徒さんのことを思いやっての行動とはとても思えず、「思いやり」にかけた「将」であるのは間違いありません。

某最大手韓国系の英語学校はどうでしょうか。3月の激動の忙しさを過ごした日本人マネージャーに、3月は給料半分、4月は給料なしです。この経営者(オーナー)も「誠実さ」と「思いやり」に欠けるのは言うまでもありません。

七計について

上記五時の重要性を認識したうえで、次の七計にて、実際に自らと、相手方の優劣を探る。その内訳は、

1.君主はどちらが民衆を掌握でき、君主と民衆が一つになれているか?
2.将軍の能力はどちらが優れているか?
3.天の利、知の利はどちらにあるか?
4.軍のルールはどちらが公正に適用されているか?
5.兵力はどちらが強大か?
6.兵士はどちらがより訓練されているか?
7.賞罰はどちらが公正に実行されているか?

上記分析で戦う前に勝敗を知ることができる。

ということです。この部分は完全な国と国の戦争ですね。

一方、今回の新型コロナウィルスの場合だと、敵はウィルスでもあります。敵のウィルスがどういうものなのか、常時分析をするのは非常に重要だと思います。

敵を知らなければいけない。(新型コロナウィルスについて知る)

戦争とは騙し合いである

マスオがこの部分で特に印象に残ったのが、戦争に勝つためには手段を選んではいけないということです。

(敵が)利を求めているときはそれを誘い出し、
(敵が)混乱しているときはそれを奪い取り、
(敵が)充実しているときはそれに防備し、
(敵が)強いときはそれを避け、
(敵が)怒りたけっているときはそれをかき乱し、
(敵が)謙虚なときはそれを驕りたかぶらせ、
(敵が)安泰であるときはそれを疲労させ、
(敵が)親しみ合っているときはそれを分裂させる。
(こうして)敵の無防備を攻め、敵の不意をつくのである。これが軍学者のいう勢であって、
(敵情におうじての処置であるから、)出陣前にはあらかじめ伝えることのできないものである。

いや~深いですね。先に述べましたが、戦争はやるからには勝たなければいけないという、その手段の選ばなさが、すごみを感じます。実際戦争となると、人も殺し合いですからね。

要は、勝つためには手段を選んではいけない。

勝敗は戦う前に決まっている

開戦前に作戦会議で目算して勝つと確信するのは、(五事七計に従って考えた結果、)その勝ち目が多いと判断したからで、開戦前に作戦会議で勝てないと目算すれば、(五事七計に従って考えた結果、)その勝ち目が少ないからである。勝ち目が多ければ勝つが、勝ち目が少なければ勝てないのであるから、まちて勝ち目が全くないというのは、なおさらで、そういうことを十分に作戦会議で目算したのだから、あらかじめ勝てるはずがあるわけがない。

負ける戦はしてはいけない

ということですね。マスオが集団訴訟を計画しているのも、あらかじめ十分に分析をして、勝てる可能性(目算)が高いと判断したからなのは言うまでもありません。

①計篇<まとめ>

計篇だけでも、いくつかもポイントがありましたので、まとめます。

1.会社のトップは、知力、誠実さ、思いやり、勇気、厳格さといった将軍の能力を持っていなければならない。(戦争に勝てない=生き残れない)

2.敵をよく知る必要がある。(新型コロナウィルスについて)

3.勝つため(生き残るため)には手段を選んではいけない。

4.負ける戦はしてはいけない。

この計篇だけでも、1-2時間の大学の講義分くらいのボリュームはありますね。ちなみに合計13篇ありますので、ロックダウン中は<孫子の兵法>をマスオのセブ島留学から、随時配信していく予定です。

お楽しみに。